【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『即戦力がつく英文ライティング』 



日向清人著の『即戦力がつく英文ライティング』を読みました。

ちょっと前に書いた「JTF翻訳セミナー: 即戦力がつくグローバル・ライティング」という記事で私、

「この日は日向さんの著書をカバンに忍ばせ、休憩時間中にしっかりサインいただいてきちゃいました。これからしっかり読んで勉強します!」

・・・と宣言していました。

えっとですね、しっかり勉強しました!と思います!(えへん)

JTFのセミナーを受けてからこの本を読むと、本の内容がスルスルと頭に入ってくるし、その逆もしかりだなと思いました。セミナー⇒本の順番になった私は、本を読みながら「ああ、あれはこういうことだったんだな」と学んだことを再確認することができたように思います。

内容としては、やはり「つながり」と「まとまり」、「ディスコース」の重要性。

文という小さな単位の中で要素をつなげ、文と文とを接続詞でつなげ、文と文でできた段落を、別の段落へと展開させていく... という感じで、読み進めると徐々に、ボリュームのある英文を意味的にスッキリ分かりやすくまとめることができるようになります。本の中にちりばめられてあるちょっとしたヒントなんかも、ライティングの場面で役に立ちそうな印象です。

ところで、私がこの本の中で特に気に入ったのは、英作文においての「段落」について、説明があったことでした。

段落というのは、1つのトピックに関する意味的なまとまりで、複数の文から構成されています。つまり、1つの段落に含まれる文はすべて、1つのトピックについて書いてある、ということになり、これが「読みやすい段落」の最低条件でありますね。ちょっと極端な例だけど、

A (←主語) is .....
It (← A) does .....
It (← A) also appears to .....
Therefore, it (← A) should ....

みたいにすると、それはそれはもうスッキリしちゃって、とっても読みやすく分かりやすいわけですね。その後は、上に作った段落と次の段落を意味的につなげて、流れを作っていけばよいワケです。

日英翻訳時には、これを覚えておくと良いかなって思います。

日本語で書かれた文章というのは、セミナー記事にも書いた通り、英語とは異なる作法で書かれています。主語がない、みたいなことはもちろんですが、探し当てた主語が上の例のように配置されているとは限りませんし、段落が「意味のまとまり」を表現しているかというと、そうでないことも多いです。1つの段落にある複数の文のすべてが異なる主語を持っていたり、意味的にまとまっている複数の文が2つの段落に分けられていたり、はたまた一文ずつ改行されていたりして「これは...?!」と思うこともしばしば。

それを見たままに英語に置き換えても「日英翻訳」と言えるのでしょうし、原文と訳文を一つずつ突き合わせて読んだり確認したりするにはビジュアル的に分かりやすいのかもしれません。でも、ネイティブチェッカーからは「何がいいたいのこれ? 主語は何なの?」みたいなフィードバックが飛んでくることになりそうな気がします。お恥ずかしながら、私もかつてそういうフィードバックをバシバシもらっていました。「目に見える日本語」につられすぎてしまっていたわけです。「日本語でそう書いてあったから英語でもそうした」というのは分かりやすい言い訳ですが、残念ながら、通用する言い訳ではありませぬな(とほほ)。

では、どうすればいいんでしょう?

私の場合ですと、まずは日本語で書かれていることを理解するところからスタートです。何についてどんなことが書かれた文で、いくつの意味要素がからまった文なのかを考えます。1つの文にあまりにも多くの要素が詰め込まれている時には、文をいくつかに切ることも考えます。次に、話の流れが崩れないように注意しながら、主題にそった主語を決めます。もし、段落の主題と全然関係なさそうな文を発見しちゃったら、執筆者さんに「これは、この段落のトピックとどのように関係していますか?」と質問して指示を仰ぎます(場合によっては削除指示が出ることも)。原文の意味を損なわないようにしながら、それぞれの文を主題と結びつけつつ、一文一文訳出していきます。最後に1段落1トピックになっていることを確認して、次の段落へ移ります。段落と段落の間には、意味的な流れを忘れずに作ります。

長い文章はこの繰り返しで訳出していきます。
(あくまでも私の場合なので、翻訳者さんによってやり方はまちまちだと思います。そこはご了承くださいね。)

大変なプロセスだけど、出来上がってみるとスッキリ読みやすい「欧米仕様」の文章になっているのではないかと思います(^^)。

おっと、話がかなりそれちゃいました(長くなっちゃってごめんなさい >_<)。

『即戦力がつく英文ライティング』は、英語で文を作って並べて置くだけの英作文ではなく、「欧米仕様」の英作文を可能にする実践的な一冊だと思います。

私は、読んでよかったなと思えた一冊でした。
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カテゴリ: 【5】 翻訳・語学 

テーマ: 翻訳いろいろ - ジャンル: 就職・お仕事

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Posted on 2014/05/10 Sat. 00:38    TB: --    CM: --

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