【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『意味不明ローマ字標識 英訳に』 

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NHKニュース2013年9月12日付の記事『意味不明ローマ字標識 英訳に』を読みました。
駅名や通りの名前のローマ字表記が「分からない」と外国人に指摘されたため、英訳するのだそうです。

記事によれば、

"例えば東京の「国会正門前」は、今は「コッカイ・セイモン」とだけ記されていますが、英語で国会と正門を意味する「ナショナル・ダイエット・メイン・ゲート」と、アルファベットで表記することにしています”

・・・なんですって。

私は日本人執筆者が日本語で書いた論文を英語に訳したりするお仕事をしています。論文は最後に参考文献のリストが添えられることになっていまして、文献は英語の物もあれば日本語の物もあります。では、論文を英語に翻訳する時に日本語文献の情報をどう提供するかというと、

書名をまずローマ字表記して、その後に括弧で [著書に英語副題があればその英語副題、なければ論文執筆者(または翻訳者)が英訳した書名] 

・・・とします (心理学ではそうしますが、英訳部分が必要ない分野もあるんだろうと思います)。

「読み手が日本語分からないならローマ字なんて意味ないじゃん? 英訳された書名だけでいいじゃん?」と思われるかもしれませんね。でも、論文の参考文献リストは「原典の言語が分からなくても、その本にたどり着くことができる」ことを前提に作られるんです。つまり、日本語が分からなくても、日本の本屋さんでローマ字表記された書名を見せれば、本屋さんがそれを頼りに本を探し当ててくれる、という流れが実現することが前提になっているんです(と、私は学生時代習いました)。

そうすると、一見「翻訳」されたようには見えないローマ字表記にはちゃんと意味があって、英訳された書名だけでは目的を果たせない、ということになりますよね。

翻訳って、そこにある文字をただ違う言語に変換するだけじゃだめなんですよね。

読み手は誰で、訳された文書をどのように使うのか、読み手が望む翻訳作業の効果は何なのかを考えなきゃいけないんですよね。

ここで注意しないといけないのは、翻訳する側が「こうすればいいんじゃない?」と思ったことが、読み手の「こうしてほしい」に一致することが必要だ、ということですよね。じゃなければ、せっかく頑張って訳しても意味なくなっちゃいますもんね。

どれだけ「翻訳」を理解し、読み手のかゆいところに手が届く作業ができるのか。
駅名やら通りの名前やらが今後どのように翻訳されるのか、楽しみにしていたいと思います。
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カテゴリ: 【5】 翻訳・語学 

テーマ: 翻訳いろいろ - ジャンル: 就職・お仕事

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Posted on 2013/09/16 Mon. 18:33    TB: --    CM: --

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