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【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』 


借金玉 著の『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を読みました。

本書は、発達障害&その二次障害(うつとかアルコール依存症とか)を抱える著者による、生存戦略紹介本です。

著者が経験してきた生活でのアレコレが「世の中の"普通"の人ならこうだ、でも、自分はこうだ」と客観的に分析され、そこから導き出された「だから自分はこうしています」というアイデアが豊富に紹介されています。それぞれのアイデアには著者ご自身の成功・失敗エピソードが背景として添えられているので、ただ単純に「こういう時はこうしましょう」と書かれているよりずっと分かりやすく、腑に落ちます。

アドバイスは部屋の作り方から、日常の持ち物、本当に困った時の生存戦略、休息の重要性、会社生活ノウハウなど、本当にもりだくさん。特に会社生活ノウハウでは、会社という独特なカルチャーに生息する"普通"の会社員の立ち居振る舞いがとても鋭く観察&言語化され、その上で「こういう時はこうしておけば大丈夫」的なアドバイスが並びます。私は「そうそう!あるある!わかるー!」と、一人盛り上がりながら読みました(笑)。この会社生活ノウハウは、発達障害云々とは関係なく、これから初めて就職する方々が読んでおいても損しない内容かもしれません。

それにしても、本書に紹介されるアドバイスは、結果として著者にとってうまく機能しているものばかりですが、そこにたどり着くまでの著者さんのご苦労というか辛かっただろう経験の数々は、私には想像してもしきれません。そして、程度の差はあれど、私たちが暮らす街にはこうして、社会に適応するという無理難題に苦しい思いをされている方が、多くいらっしゃるのだろうなあと改めて思いました。

世の中には見えるものから見えないものまで、さまざまな疾患や障害がありますよね。世の中全員がその疾患・障害の全てを把握し、それぞれの人に「正しい対応」をするというのは残念ながらムリな話です。でも、「こういう感じで困ってるんだ」と言ってもらえたら「そうなんだ」と理解し、そこからどうすればいいか一緒に考えていく、みたいなことは可能なんじゃないかと思うし、誰もが気軽に頼り頼られることを是とする社会になっていったらいいなあ、と思いながら本書を読み終えました。

著者のアドバイスは参考になるものばかりだと思うのですが、精神科医による「あとがき」にもあるように、そのすべてが発達障害を持つ方全員に適するとは限らない、というのは大切なポイントです。それでも本書は、自分の経験から学び、「自分はこうなんだから仕方ない」という前提で、身の周りを柔軟かつ効果的にカスタマイズするという戦略の大切さを、十二分に教えてくれる一冊ではないかと思います。

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カテゴリ: 【4】 心理学 

テーマ: 心理学いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2018/06/28 Thu. 16:05    TB: --    CM: --

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