【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得』 



工藤広伸 著の『医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得』を読みました。

認知症を患うお母様を遠距離介護されている、ブログ「40歳からの遠距離介護」管理人の「くどひろ」氏こと工藤広伸さん。昨年秋に出版された『医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得』(その時の記事はコチラ)で語られた介護に対する姿勢や介護の知恵はまだまだ記憶に新しく、今でも認知症に関連する様々な記事を目にするたびに「そういえば、あの本にはあんなふうに書いてあったっけ・・・」と思い出したりしています。そのくどひろ氏の著書第2弾が7月に発売され、もちろん今作も読ませていただきました。前回は「医者には書けない!」認知症介護のアレコレでしたが、今回は「医者は知らない!」認知症介護のアレコレです。遠距離介護4年目のくどひろ氏が、いわく「しれっと」介護を続けられているコツが、全編にわたって惜しげもなく紹介されています。

前作では、介護者と被介護者とのインターフェイスに視点を向けて、「ああしたらこうしてみる」、「こういう行動は控えたい」というように、どちらかといえば物理的な試みが多く紹介されていました。今回は、介護者と被介護者それぞれの感じ方や考え方に焦点が当たっているかなと感じます。ちなみに本のおおまかな構成は、認知症の人との接し方、介護便利グッズ、被介護者の社会とのつながり、そして最後に介護者に関するアレコレです。最後の介護者に関するアレコレは2章にわたって書かれていますが、介護者の働き方や介護離職に対する著者の強い思いがつづられているのが特徴的です。「介護と仕事」は認知症を理由にしてもしなくても多くの人が直面する問題ですよね。とても参考になると思います。

本編を読み進めながら強く感じたのは、くどひろ氏の「思考の柔軟性」でした。

例えば、認知症でよく見られるという「同じものをいくつも買ってしまう」という状況。これを「困った行動」と捉えれば、防止策として「買わない物リスト」を作るとか、買い物全てを介護者に委ねるとか様々なやり方が考えられますよね。でも、くどひろ氏にとってお母様の買い物は「リハビリ」。「あまり現金を持たせず、買ったものの賞味期限を注意しておけば大丈夫」というスタンスです。同様に、入浴拒否も「入浴拒否よりヒートショックの方がこわい」という考え方だし、今日が何日かわからないという状況も、「大切でない情報は留まらないし、フリーランスの自分だって今日が何日かわからない」的なゆるい(というか余裕のある)かまえです。たしかに私もフリーランスで、「今日って何日?」「今日って何曜日?」な状態はほぼデフォルト状態で、日ごろ分かっているのは「納期まであと何日か」くらいですからよく分かります(笑)。

認知症介護の本に「困った症状」として書かれることが多いようなことが、くどひろ氏の常識にとらわれない柔軟な思考を通じて「困ったこと」でなくなっていきます。「苦しいときでもポジティブシンキング!」みたいな闇雲に元気そうなのは苦しいしムリがありそうですが、くどひろ氏のような「1つのことを多角的に見る」というアプローチなら、介護に限らず色んな場面で心に余裕を生み出してくれそうな気がします。

くどひろ氏の柔軟な思考と姿勢は、ご自身の「仕事観」にも反映されているように思います。「介護と仕事」という言葉だけで私たちは、「介護と仕事って両立できるの?!」とか「どのような状態になるまで会社に残れるだろうか」とか色んなことを考えてしまいますが、「働き方」はそもそも「会社員」だけではないし、収入源だって1つに限定する必要がないというのが、くどひろ氏の考え方です。介護にも仕事にも「常識的にはこうだから」という日本社会全体的な考え方みたいなのがあるかもしれませんが、それはそれとして、自分は自分のスタイルを確立していこう、ということですね。くどひろ氏の「仕事観」に触れながら、私は『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』(ちきりん 著)(その時の記事はコチラ)を思い出していました。「40歳になったら働き方を見直そう。自分のこれからの働き方を、自分のアタマでしっかり考えよう」という本です。介護が現実になるかどうかは別としても、長い社会人人生、キャリアパスを見直す時間はあってもいいかもしれませんね。一度社会人としての自分を棚卸しておけば、いざという時に方向転換がしやすいということもあるかもしれません。

話が少しそれましたが、今回も認知症介護について多くを学ぶとともに、特に心身の疲弊を防ぎながら介護するための知恵を授かることができたと思います。前回も同じようなことを書いてしめくくったような気がしますが(気のせい?)、くどひろ氏の考え方はもちろん数多くあるなかでの一つの考え方で、大事なのはそこから何を学びとり、それをどう解釈し、自分にとってどのような最適解を作り出していくかというところにあるのだろうと思います。介護者向けにたくさんの本が出版されていると思いますが、介護者ご本人が書いたこの本は、他の介護者さんにとって力強い心の支えとなるのではないかと思います。


  


毎年イチゴと桃の季節は、いつものメンバーで千疋屋パフェの会♪ 今年は7月上旬に桃パフェ食べてきました♡

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パフェの会は、旬の果物の美味しさに感動するのはもちろん、気の置けない仲間とアレコレおしゃべりするのがホント楽しい~。次回はイチゴの季節。今から楽しみです(^ ^)
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カテゴリ: 【3】 認知症 

テーマ: 認知症いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2016/08/29 Mon. 22:03    TB: --    CM: --

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