【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『古代ローマ人の愛と性』 



アルベルト・アンジェラ 著の『古代ローマ人の愛と性』を読みました。


少し前に読んだ『古代ローマ人の24時間―よみがえる帝都ローマの民衆生活』 (その時の記事はコチラ)そして『古代ローマ帝国1万5000キロの旅』(その時の記事はコチラ)の著者による古代ローマ帝国シリーズ(?)第3弾です。

第1弾は、古代ローマ帝国が勢力をもっとも拡大していた時代のとある火曜日にスポットをあて、首都ローマに暮らす人々や街の様子を探るというものでした。

第2弾は、その翌日。人から人へと渡される一枚の硬貨を追って、ローマ帝国統治下にあった地域をめぐる旅でした。

そして第3弾。私たちはあの火曜日へと舞い戻り、街を歩く人々を眺め、その一場面を「一旦停止」させるところからスタートです。
各章でその「静止画」に取り込まれた人々を追っていきます。

父と息子を追っていけば、息子がどのように大人への階段を一歩登るのかを知ることができ(行先は父親がひいきにしている娼婦さんのいる売春宿です)、貴族の女性を追っていけばこの日コロッセウムで剣闘士試合に勝利した男性との婚外恋愛の様子を知ることができ(ちなみにこの剣闘士試合は『古代ローマ人の24時間』で描写されています)、壁に落書きをしている男性を背後からのぞけば、この時代から恋愛に関する落書きが存在していたことが分かります。劇場に行けばナンパされたい女性とナンパしたい男性との駆け引きをのぞき見ることができ(当時すでに「ナンパ指南書」のようなものが存在していました)、娼婦の後をついて行けば当時から避妊薬(と思われる薬)が使われていたことが分かり、夫婦が暮らす家におじゃますれば、当時の慣習として夫婦は愛で結ばれるものではないということが分かります。

当時の結婚は恋愛の結果ではなく、純粋に家族間の契約だったんですね。花嫁はろくに相手も知らぬまま若くして嫁入りし(日本でもそういう時代ありましたよね)その所有権が父親から夫へと移ります。これが結婚です。まれに愛が芽生えた例もあったようですが(ポンペイウスとカエサルの娘ユーリアが良い例かな)、基本的には女性が男性の支配下に置かれるために、「夫婦で手を取りあって・・・」みたいな関係や生活にはならなかったようです。

結婚指輪をはめるのはこの当時から左手の薬指でした。この指には多くの神経が通りそれが心臓につながっていると信じられていたためだそうです。婚礼の日は当時の宗教がらみで婚礼式を避けるべき日が多く存在し、結局残った縁起の良い期間は6月後半。この名残が現代の「ジューンブライド」なんだそうですよ。

こんな風にローマ帝国の世界観の中、私たちは街の居酒屋でワインを飲みながら人間観察をしたり(この居酒屋で支払ったお金に、『古代ローマ帝国1万5000キロの旅』で追っていたあの硬貨がまじってました。粋な演出^^)、気になった人々の後をついていったりすることで、当時の愛と性に関する知識を多く得ることができます。

読めば読むほど、現代の私たちと古代ローマの人々との類似点と相違点に気付きます。人が惹かれあう感情は似ているけれど、それを表現するための慣習が異なっていたということでしょうか。「とても似ているのに全く違う」という不思議な感想を持ってしまうシーンにいくつも遭遇しました。

知らない世界のお話を読むのはいつもとても興味深いものですが、古代ローマにはなぜか尽きない魅力を感じます。世界は広いし歴史だって長いので古代ローマ以外の本も読めばいいのでしょうけれど、気付くとなぜか古代ローマの本ばかり探してしまう・・・。こうなったらもう、飽きるまで読むしかないですな!(笑)

この古代ローマシリーズは今のところこれが最新作でこの先のことは分かりませんが、出たらまた読んでしまうことでしょう (^ ^)。今作も大いに楽しめ、大いに学べる一冊でした。

  

六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで「ポンペイの壁画展」を見てきました。

当時2万人程度が暮らしていたと考えられているポンペイは、紀元79年(古代ローマシリーズの舞台の40年前くらい)に火山の噴火による火砕流に埋もれてしまった街です。そこから出土した壁画は、火山灰が乾燥剤「シリカゲル」のように作用したことによって、良好な保存状態を保てていたそうです(奇跡!)。

もちろん時間の経過とともに色が変わってしまった箇所なんかもありましたが(変色してもキレイというのがこれまたスゴイ)、それでも鮮やかな色彩や細やかな描画に、驚きと感動の連続でした。ポンペイの壁画には本当に多くのことが描かれていたそうで、そういえば今回読んだ古代ローマシリーズにもポンペイで出土した壁画から得られた情報が多く含まれていました (^ ^)。開催期間は4/29~7/3です。

壁画展の後は大好きなAS Classicsでいつものベーコンチーズバーガー♡

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カテゴリ: 【6】 読書あれこれ

テーマ: 読書いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2016/06/21 Tue. 10:00    TB: --    CM: --

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