【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『監察医の涙』 



上野正彦 著の『監察医の涙』を読みました。


同著者の『死体は語る』を読んだのはもう何年前だったかな。「生きた人間は嘘をつくけれど、死んだ人は嘘をつかない」という(感じの)フレーズが強く心に焼きついた一冊でした。著者が死体との「会話」通じてたどり着いた「死」の真実は、「悲しい」とか「切ない」とかの感情を超えたところで、一読者である私に「生」について考えるきっかけをくれたような気がします。

その時からずっと著者の本をもっともっと読みたいと思っていたのに、気付いたら何年も経ってしまっていました。

今回の『監察医の涙』は、一言でいえば短編エピソード集といったところでしょうか。著者が関わった「死」がそれぞれ数ページ程度にまとめられています。死の原因は、貧困、いじめ、耐え難い孤独感や疎外感、殺人、交通事故、無理心中を含む自殺、虐待など多岐にわたります。愛しい人を残してこの世を去っていく人や愛しい人に先立たれてしまう人の物語はそれだけでも辛いのに、貧困やいじめといった「避けられたはずの死」のエピソードも多く、悲しくてやりきれなくて、読みながら思わず涙がこぼれてしまう瞬間も多くありました。家で読んでてよかった・・・。(当然ですが死の現場や遺体の描写が多いため、苦手な方は念のため注意。)

辛すぎて悲しすぎて、著者と同行している刑事や警官が涙を流し、著者自身も涙を流してしまうようなエピソードばかりです。でも、そのひとつひとつに「死の理由をしっかりと読み解き明らかにしてあげたい」という著者の患者(と言っていいのかな)に対する真摯な愛を感じました。

ところで本書には、同じく医者であり大きな愛で患者を診ていた著者の父親について言及がありました。お金儲けのためではなく心から患者を思って医療を行っていた父親を見て育った著者は、結果的には死体と向き合う医者になったものの、父親と同じ「患者に対する大きな愛」を受け継いだのですね。今回のエピソード集は、それがとてもよく分かる一冊でした。

  

先日表参道に行ったついでに、Nid CAFEでお茶してきました。何年ぶりかすらもう分からないほどお久しぶりのNid CAFEだったけれど、大好きな内装もまったりとした雰囲気も全然変わってなくて嬉しかったな。イチゴはそろそろ食べ納めですね。次は桃の季節が楽しみだな~!

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カテゴリ: 【6】 読書あれこれ

テーマ: 読書いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2016/05/06 Fri. 10:00    TB: --    CM: --

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