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フリーランス翻訳者の読書メモ

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『採用基準』 



伊賀 泰代著の『採用基準』を読みました。


せっかく縁あってちきりん氏の本を読んだので、伊賀氏のも (^^)

マッキンゼーで採用マネージャーを務めた同氏によるこの本は、ざっくりカテゴリ分けすると「リーダーシップ論」ですね。

「採用基準」がどうリーダーシップ論へ発展するのかというとそれは非常にシンプルで、マッキンゼーの採用面接で最重要視されるのは「リーダーシップ・ポテンシャル」(←リーダーシップ自体は採用されてから鍛えることができるので、その素質をもっているかどうか)、というところから

・マッキンゼーにおけるリーダーの定義
・マッキンゼーにおける「全員がリーダーであること」の意義
・マッキンゼーと一般的な日本企業(ともすれば社会全体?)との間に見られるリーダー観の違い
・日本でリーダーが育たない理由(そもそもリーダー教育が必要という認識の欠如)
・リーダーシップを鍛えることの意味、等

・・・について同社での経験を踏まえた洞察が繰り広げられていきます。

もちろん採用基準について何も書かれていないのかというと決してそうではありません。ただし、「これをこうすれば受かる!」という傾向と対策的な情報はありません。本書に書かれているのは、リーダーシップ・ポテンシャルをはじめとした、マッキンゼーが求めている人物像です。応募者は「ここに自分のやりたいことがある」という思いで面接にのぞみ、面接官に「マッキンゼーが君の居場所だ」と思わせることができれば理想的ですね。

さて、伊賀氏のリーダーシップ論には深くうなずけるポイントがたくさんありました。まず一つに、リーダーは成果目標を定義して結果を出すことを最優先する人物であるということ。「上司と違う意見を言ったら嫌われる」とか「和を乱してはいけない」なんて言ってる場合ではなく、「結果を出すこと」に集中します。次に、リーダーシップが備わった人間は、状況をよくするための案を出すということ。他人がやっていることを「自分の仕事じゃないから」と黙って見ておいて後になってから文句を言ったりする人っていますが、そういう人にリーダーシップ・ポテンシャルはありませんね。リーダーシップを備えた人であれば、当事者意識を持って「自分ならこうする」とその場で提案できることでしょう。そして、リーダーは決断する人間であること。「決める」というのはこれからの方針や行動を「決める」ことを意味するわけですから、必要な情報が全て揃うわけがないし、成功を保証できるような結論にたどり着けるまで検討を続けていたら一生なにも決めることができません。リーダーは十分な情報も時間もないという状況下で、「今が前に進むべき時」というタイミングで決断を下せる人です。

つまるところ、リーダーでない人(=フォロワー)は「他人が設定した目標に向かって、他人の指示通りに動き、変化に対応していく」し、リーダーは「自分が設定した目標に向かって、当事者として自ら動き、変化を作り出す」ということなのだと思います(←あくまで「違い」であって、善悪とか正誤の問題ではないと思います、念のため)。

非常に興味深い本でしたが、注意すべきは(当たり前のことですが)この本は「伊賀氏」が「マッキンゼー」での経験を土台に自分のアタマで考えたリーダー論を展開している、ということです。つまり、理想のリーダー像はリーダー論を唱える人の分だけある、と考えてもよさそうです。

マッキンゼーで求められるリーダー像の概要はこの本で分かりました。ではこの広い世界、ほかにどんな「理想のリーダー像」があるのかしら?興味を引かれるところです。
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カテゴリ: 【6】 読書あれこれ

テーマ: モノの見方、考え方。 - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2016/03/26 Sat. 10:00    TB: --    CM: --

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