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『他人を支配したがる人たち』 

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ジョージ・サイモン 著の『他人を支配したがる人たち』を読みました。


原題は「In Sheep's Clothing」。新約聖書マタイ伝の「Beware of false prophets, which come to you in sheep's clothing, but inwardly they are ravening wolves」(偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である)ですね。つまるところ、「温順を装った危険人物」です。

これだけ書いてしまえばもう本編の説明も不要かなと感じてしまいますが(笑)、今回は「マニピュレーター」が主題です。「マニピュレーター」は辞書的には「巧みに操作する人」なんですが、本書ではもう少し分かりやすく、「人を追い詰め、その心を繰り返し支配しようとする者」と定義されています。

人を自分の思うように操作する場合、あからさまな形で操作するやり方(顕在的)と、そうとは気付けないような方法で操作するやり方が(潜在的)があります。マニピュレーターは後者、潜在型です。自分の目的を相手に明かすことなく、常に相手の優位に立ち、そして確実に目的を果たしたい人々です。そのためには計算づくで人の弱点につけこみ、自分の思い通りにいかない時にはそれが相手の落ち度であるような言動を見せます。他人思いの優しい人であればあるほどそんなマニピュレーターの罠にかかり、罪悪感を感じ、マニピュレーターの支配から抜け出せなくなってしまいます。本書の前半で著者が被害者をカウンセリングした時のエピソードが数例紹介されていますが、どのマニピュレーターも非常に狡猾に自分の印象を操作しながら、目的達成のために被害者を操作していることが分かります。読んでみると正直かなり怖いのですが、それでも以前読んだ『良心をもたない人たち』(その時の記事はコチラ)や『Snakes in Suits: When Psychopaths Go to Work』(日本語版:『社内の「知的確信犯」を探し出せ』)(その時の記事はコチラ)に描写されるサイコパスよりは、もしかするとまだ救いがあるのかもしれません。私がそう感じた理由は、サイコパス対策とマニピュレーター対策の違いにあります。

サイコパスの場合被害者が「サイコパスの被害に遭った」と感じるのはサイコパスが被害者を利用しつくして次の獲物へと移っていった後が多いとされます。よって対策ってなかなか難しいと思うのですが、もしサイコパスと関わってしまった場合、「関係を断絶する」が有効というか唯一の策です。逃げるが勝ちです。一方マニピュレーターの場合、被害者が強い心と自分軸を持って「あなたの思い通りにはもうならない」とマニピュレーターに対峙したり、お互いにとって利益が出るよう合意を結んだりすることで、相手がそれ以上の操作を諦めることがあるようです。夫がマニピュレーターで妻が被害者だったけれどカウンセリングの結果夫婦間の合意がうまくいった、という例が本書に紹介されていて「なるほど~賢いなあ~」と思いました。

本書の後半では、マニピュレーターが用いがちな支配手段と特徴的な言動、そしてマニピュレーターとの関係を改める方法が紹介されています。上で紹介したサイコパスに関する本と同様、この本にも実践的な「傾向と対策」があるのが良いですね。

ところで、この本に紹介されるエピソードには、「被害者はマニピュレーターの言動に違和感を感じるも、その言動の理由を自分なりに考えて納得し、違和感を無視してしまった」という共通点がありました。マニピュレーターが相手に罪悪感をおわそうとして被害者に心無い言葉をぶつけたりした時に、被害者は「そんなことを言うなんてストレスがたまっているのね」とか「過去のトラウマのせいで心が不安定なのね」とか「心が傷ついてしまっているのね」などと勝手に考えて勝手に納得してしまいがちなんだそうです。でも実際にはマニピュレーターの言動全てが「相手に勝ち、優位に立ち、支配するための計算」の結果に成り立っていることに注意が必要です(怖いね)。

「○○○人に一人の割合でマニピュレーターが存在する」といったデータはなかったのですが、本書を読む限りサイコパスに出会ってしまう確率よりマニピュレーターに出会ってしまう確率の方が高そうな印象でした。もしAmazonとかで本書の説明を読んで「ピン!」と来てしまったら(来ないことを祈っていますが)一度手に取ってみられることをおすすめしたいと思います。
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カテゴリ: 【1】 人間関係 

テーマ: 心理学いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2016/02/28 Sun. 10:00    TB: --    CM: --

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