【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『認知症になった私が伝えたいこと』 



佐藤雅彦 著『認知症になった私が伝えたいこと』を読みました。


著者佐藤さんは2005年に51歳でアルツハイマー病の診断を受け、それまで勤務していた会社を退職。多くの工夫を重ねながら、現在でも一人暮らしをされています。

認知症は10年ほど前まで「痴呆」という言葉で表現されていました。今でも、その言葉から連想される印象を認知症に対して持っている人は、まだまだ多いと思います。例えば、認知症になると自分自身のことが分からなくなってしまうとか、意識も感情も消えてしまうとか。医療従事者でさえも同じような印象を持っている場合があるようで、「どうせ分からないでしょう?」とか「どうせすぐ忘れるからいいじゃない」という旨の心無い言葉を投げかけられた、という記述をこれまで何度か目にしたこともあります。この本は、多くの人が認知症に対して持ちがちなそういった印象が「偏見」だということを教えてくれる貴重な一冊です。

佐藤さんは、認知症による記憶障害などで日々いろいろなことに困ってしまいながらも、「できなくなってしまったこと」ではなく「まだできること」を大事にしながら、積極的に出かけたり趣味を楽しまれたりしています。ぎりぎりまで一人暮らしをして人生を楽しむための工夫は広範に渡ります。昨日のことを覚えていないことに対する工夫から、人と話をする時の工夫、音に過敏になった時の工夫などなど。どういった場面でどのような工夫をしているのかを読んでみると、佐藤さんが具体的に何に困っているかが分かります。その中でも「ほほう」と思ったのは、買い物するときの工夫として挙げられていた「買わないものリストを作る」でした。私たちが普段買い物でする失敗といえば「買い忘れ」だと思うのですが、佐藤さんの場合は、「買い物リスト」の他に「買わないものリスト」がなければ、同じものを繰り返し購入してしまうのだそうです。なるほど。本書にはその他にも色んな工夫が分かりやすく表形式にまとめられているので、これを参考にできる方もいらっしゃるかもしれませんね(もちろん症状は人それぞれなので、一例ということで)。

このような工夫を日々重ねながら、ボランティア活動に参加し、講演活動を行い、認知症当事者の会の発起人としても精力的に活動される佐藤さん。「何もわからなくなってしまう」といった認知症に対する印象が「偏見だ」ということがページを追うごとに明確に理解できると思います。

本の最後には、認知症当事者、その家族、医師、介護者、地域、行政、そしてすべての人に向けた佐藤さんからのメッセージがあります。どのメッセージも当事者ならではの率直な気持ちであり、特に医師や行政に対する訴えは当人にしっかり届くよう強く願うばかりです。

認知症に関する書籍は医師や介護者(主に家族)が執筆したものが多いけれど、これからは当事者による手記がもっともっと増えて、認知症に関する理解がもっともっと進むといいですね。


  


池袋の「鶏の穴」でラーメン食べてきました。濃厚な鶏白湯スープ♪ トッピングした味玉には鶏の焼き印(っていうのかな?)が。かわいい!その後は「cafe pause」に移動してデザート (^^)。美味しく楽しいひと時でした!

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カテゴリ: 【3】 認知症 

テーマ: 認知症いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2015/05/20 Wed. 15:29    TB: --    CM: --

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