【自分メモ】

フリーランス翻訳者の読書メモ

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『脳科学からみた「祈り」』 

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中野 信子著の『脳科学からみた「祈り」』を読みました。
本書「はじめに」の部分に記されている通り、この本は「脳科学の知見をふまえ、『本当に幸福な生き方とはどのような生き方か?』を多くの人に伝える」試みとして書かれた本です。

では、「脳科学」と「祈り」と「幸福な生き方」がどうつながっているのかと言うと...

祈りにも色々あって、それこそ世界の平和を心から祈るのも「祈り」だし、ひたすら自分に良いことが起こるようにと願う利己的な祈りも「祈り」だし、嫌いな人を思い浮かべては良くないことが起こることを願うのも「祈り」だし、スポーツで相手を負かしたいと強く思うのも「祈り」ですね。

どれも同じ「祈り」だけれど、妬みや怒りの気持ちから誰かの不幸を願うようなネガティブな祈りというのは、脳にとってストレスになるんだそうです。脳というのはもともと社会性を持った行動(向社会性行動)を行うよう自然に調整されているため、そうでないネガティブな祈りはストレスになるんですね。ストレスがかかった結果、「コルチゾール」というストレス物質が分泌されてしまうのですが、コルチゾールの過剰分泌は、脳内で記憶をつかさどるといわれている「海馬」を委縮させてしまうのだそう。

逆にポジティブな祈りは脳内快感物質と呼ばれる「ベータ=エンドルフィン」「ドーパミン」「オキシトシン(愛情ホルモン、と呼ばれたりもしますね)」の分泌につながるのだそうです。特にベータ=エンドルフィンは、脳を活性化させて記憶力や集中力を高めたり、体の免疫力を高めたりしてくれます。マラソンの時の「ランナーズ・ハイ」もベータ=エンドルフィンの分泌によるものだといわれていますね。

そして、自他ともに幸福になろう、成長しよう、というポジティブな祈りを続けることで、持続的な幸福感を身に付けることができるのだそうです。幸せ体質になる、みたいな感じですかね? そういえば、体と同じで、「脳(や心)も鍛えることができる」と、どこかで聞いた(読んだ?)ことがあります。将来を良くしようというポジティブな祈りを毎日コツコツと実践することが重要で、1回だけ「神頼み!」みたいな感じで祈っても、それはあまり意味がないのでしょうね。もし実際に何か良いことがあったとしても、それは偶然の範疇を出ないだろうと思います。体だって、1日だけ突然がしがしと運動したって、筋肉痛になっておしまいですもんね。きっとそれと同じですね。

その他にもこの本では、利他的行動と脳の関係や、他人への配慮と運の良しあしの関係など、興味深いトピックが非常に分かりやすくまとめられていました。ただやみくもに「幸せのために祈れ」と言われると「なんか怪しい...」と思ってしまいますが、この本のように筋道を立てて幸福感の仕組みを説明してもらえると「なるほど」と納得できたりしますね。

大きな文字で内容は簡潔。どの年代の方にでも分かりやすくて読みやすい、良い「幸福論」の書だなと思いました。
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カテゴリ: 【4】 心理学 

テーマ: 心理学いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2012/12/25 Tue. 21:30    TB: --    CM: --

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