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講演会「認知活性化療法:認知症の方への心理・社会的アプローチ」に行ってきました 



11月9日(日)に開催された、講演会「認知活性化療法:認知症の方への心理・社会的アプローチ」を聴講してきました。

認知活性化療法(cognitive stimulation theraphy or CST)は、軽度および中等度の認知症を対象にした、短期グループ介入法です。今回の講演は、このCSTを開発し、研究を続けるとともに療法の普及に尽力されているロンドン大学准教授エイミー・スペクター先生によるものでした。

CSTは14のテーマからなるセッションを週に2回7週間行うもので、テーマは体を動かすアクティビティ(ゲーム)、音楽、食べ物、料理、地図作り、数字ゲームなどなど。認知症になって使わなくなってしまったり、使いたくなくなってしまったりする認知機能を、積極的に使っていく非薬物療法です。ポイントは、患者のその時々の認知機能に対して「ちょっとだけ難しいかな」と感じる程度のアクティビティを用意すること、そして新しい情報への露出を増やすことなんだそうです。脳の機能は「use it or lose it (使わないとダメになる)」と言います。認知症の場合は、このようなアクティビティで脳に残っている機能を大事に、しっかり使っていくことが非常に重要なのだそうです。

認知症になると一般的に認知機能は衰える一方なのですが、CSTでは、認知機能の多少の改善が望めるそうです。認知機能レベルを折れ線グラフで表示すると、時間の経過に伴いグラフは右肩下がりになってしまうと思うのですが、それが下がらないまたは少し上がることで認知機能の「改善」と考えられているようです。ところで、この非薬物療法の効果なのですが、ADAS-Cogといって認知症薬の薬効を評価できるアルツハイマー病評価尺度で評価したところ、薬物療法と同じ程度の評価が得られたそうです。講演会では、既存の治療法(含薬物療法)よりもCSTの方がコストパフォーマンスが高いというお話もありました。認知機能の改善は患者のQOLや自立生活の向上と結びついているため、CSTは有望な非薬物療法と言えそうですね。

先ほどCSTは7週間と書きましたが、この7週間が終わったあとはMCSTといって、維持プログラムがオプションとしてあるそうです(MCSTのMはmaintenanceのM)。MCSTの効果検証結果によれば、CST終了後MCSTを受けたサンプルは、3か月後そして6か月後のQOL、そして3か月後の日常生活動作(activities of daily living or ADL)が有意に改善したそうです。

今回は、研究者から直接話が聞けるとても貴重な機会でした。わたし個人に限っていえば、講演者によるプレゼンスライドが英語で、配布資料は日本の認知症専門家がそれを翻訳したものだったので、プレゼンを聞きながら関連ボキャブラリもありがたくいただくことができました。やはり専門家さんの訳文は、内容を熟知しているだけに表現がこなれていて分かりやすい・・・。私も将来、違和感なく読める訳文を認知症分野で書けるようになりたいっ。 (がんばるそう!)

最後に、CSTは多言語多文化向けにローカライズされていて、日本語版もあるそうです。将来多くの患者さんの役に立つといいですね!
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カテゴリ: 【3】 認知症 

テーマ: 認知症いろいろ - ジャンル: 心と身体

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Posted on 2014/11/13 Thu. 23:58    TB: --    CM: --

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